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疾患解説ドライアイ目の乾き患者教育

2026.06.05

ドライアイとは?症状・原因・治療・セルフケアを眼科勤務経験者が解説

ドライアイとは?症状・原因・治療・セルフケアを眼科勤務経験者が解説

目次

ドライアイとは?

目の乾きや疲れを感じる日本人女性
目の乾きや疲れを感じる日本人女性

ドライアイは、「様々な要因による涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義されています(出典:ドライアイ研究会 2016年 日本のドライアイの定義と診断基準)。主な症状は、目の乾き、かすみ、まぶしさ、目の疲れ、痛み、ゴロゴロ感、充血、涙が出る、目ヤニが出ることなどです(出典:日本眼科学会)。

日本国内の患者数は、研究会発足当時の約800万人から、今では2000万人以上(2200万人とも)に増えていると推計されています(出典:ドライアイ研究会)。有病率としては、40歳以上の住民を対象にしたKoumi Studyで男性12.5%・女性21.6%がドライアイとされ、オフィスワーカーを対象とした大阪スタディ(2012年)では、確定例が11.6%、疑い例を含めると約65%に上ると報告されています(出典:ドライアイ診療ガイドライン)。

特に中高年の女性や、パソコン作業などを長時間行う方に多いといわれています。

ドライアイの主な原因とリスク要因

パソコン作業で目を酷使し疲れ目になる様子
パソコン作業で目を酷使し疲れ目になる様子

ドライアイは、さまざまな要因が重なって起こります。主なリスク要因として、加齢、女性であること、長時間の画面作業、エアコンが効いた乾燥した室内、コンタクトレンズの使用、喫煙、涙の分泌を減らす飲み薬や防腐剤入りの目薬、マイボーム腺の病気、結膜のしわ、シェーグレン症候群や関節リウマチなどの膠原病が挙げられます(出典:日本眼科学会)。現代の生活環境やライフスタイルが、ドライアイの増加に大きく影響していると考えられています。

こんな症状はありませんか?

ドライアイの症状で目をこする様子のクローズアップ
ドライアイの症状で目をこする様子のクローズアップ

まずは、ご自身の目の状態をセルフチェックしてみましょう。

  • 目が乾く感じがする
  • 目がかすむ、見えにくい
  • まぶしく感じる
  • 目が疲れやすい、重い感じがする
  • 目が痛い、しみる
  • 目がゴロゴロする、異物感がある
  • 目が赤くなる
  • 涙が出る
  • 目ヤニが出る

一つでも当てはまる場合は、ドライアイの可能性があります。ただし自己判断はせず、気になる症状が続くときは眼科でご相談ください。

ドライアイを放置するとどうなる?

目の不調を心配して目薬を手に取る女性
目の不調を心配して目薬を手に取る女性

ドライアイの症状が続いたり放置したりすると、涙の層が不安定になり、角膜や結膜に細かい傷ができてしまう場合があります。その結果、目のかすみや見えにくさを感じやすくなり、日常生活の質(QOL)に影響が出ることもあります。症状や進行には個人差がありますので、気になる場合は専門医にご相談ください。

【現場メモ】わたしが眼科で働いていたころ、「目薬をさしても、しばらくするとまた乾く」という声を耳にした記憶があります。市販の目薬でしのぎながら、受診のきっかけをつかめずにいる方は少なくないのかもしれません。気になる乾きが続くときは、我慢せず一度眼科で相談してみてください。

治療と対処の選択肢

眼科で細隙灯顕微鏡による目の検査を受ける様子
眼科で細隙灯顕微鏡による目の検査を受ける様子

ドライアイの治療やケアは、原因や症状の程度によって変わります。ここでは、代表的な検査・治療・注意点をご紹介します。

眼科で受ける検査

  • 涙液層破壊時間(BUT):涙がどれくらい安定しているかを調べます
  • 色素染色検査:目の表面に傷があるかを確認します
  • シルマーテスト:涙の分泌量を測定します

これらの検査で、涙の状態や目の表面のダメージを確認します(出典:日本眼科学会)。

眼科での治療

  • 涙の不足成分を補う目薬
  • 炎症を抑える目薬
  • 涙点プラグ(涙の排出口をふさいで涙を保つ治療)

あわせて、画面作業やコンタクトレンズ装用の軽減、エアコンの調整、加湿器の使用など、生活環境の見直しも大切です(出典:日本眼科学会)。

市販目薬の選び方の注意

市販の目薬にもさまざまな種類がありますが、防腐剤や血管収縮剤が入っているものは、長期間使い続けると目の表面の負担になる場合があります。また、自己判断で使い続けると症状が悪化することもあるため、改善しないときは眼科でご相談ください。

マイボーム腺機能不全(MGD)と「目薬だけで治らない」乾き

まぶたのふちにあるマイボーム腺の働きが悪くなると、涙の蒸発を防ぐ油分が不足し、目薬だけでは改善しにくいタイプのドライアイになることがあります。この場合は、まぶたのケアや温罨法(蒸しタオルなどで温める方法)が役立つことがあります。

新しい選択肢(IPL等/自由診療が一般的)

近年は、まぶたに特殊な光を当てるIPL(Intense Pulsed Light)治療など、新しいアプローチも登場しています。ただし、これらは多くの場合自由診療となり、詳細や適応については受診先でご確認ください。

なお当メディアEnFilmでは、こうした検査や治療の流れ、セルフケアのポイントを、患者さんにわかりやすく伝える説明動画の制作を行っています。院内掲示や診察時の補足説明にご活用いただけます。

今日からできるセルフケア

蒸しタオルで目を温めるセルフケア
蒸しタオルで目を温めるセルフケア

セルフケアも、ドライアイの予防や症状の緩和に役立ちます。今日からできることを実践してみましょう。

  • 意識的にまばたきを増やす
  • 20-20-20ルール(20分ごとに20秒、約6メートル先を見る)で目を休める
  • まぶたを温める(温罨法)
  • 加湿器を使い、エアコンの風が目に直接当たらないようにする
  • コンタクトレンズの使用を控える時間をつくる
  • 喫煙を控える

【現場メモ】視能訓練士の視点でお伝えすると、まばたきには涙を目の表面全体に行き渡らせる大切な役割があります。画面に集中するとまばたきは自然と減りやすいといわれているので、意識的にまばたきをしたり、こまめに目を休めたりすることは、とても理にかなったセルフケアです。

こんなときは眼科へ

眼科で医師に相談する患者
眼科で医師に相談する患者
  • 症状が長引く、または悪化している
  • 目の痛みや視力低下を感じる
  • 市販薬で改善しない
  • コンタクト装用時に強い違和感がある

自己判断はせず、気になる症状があれば早めに眼科を受診してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ドライアイは治りますか?

症状の軽減やコントロールは可能ですが、原因や体質によって治療法は異なります。まずは眼科にご相談ください。

Q2. どんな検査をしますか?

涙の安定性や目の表面の状態を調べるため、BUT測定・色素染色・シルマーテストなどを行います。

Q3. コンタクトレンズは使えますか?

症状やタイプによりますが、ドライアイがある場合は装用に注意が必要です。眼科医と相談しましょう。

Q4. 市販の目薬でも大丈夫ですか?

症状が軽い場合は一時的に使うこともありますが、長期使用や自己判断は避け、改善しないときは受診をおすすめします。

Q5. 画面作業で悪化しますか?

長時間の画面作業はまばたきが減り、悪化しやすくなります。適度な休憩を心がけましょう。

Q6. 涙が出るのにドライアイなの?

涙が多くても、質や安定性が低い場合はドライアイになることがあります。

Q7. どんな人がなりやすいですか?

加齢、女性、画面作業が多い方、エアコン下での生活、コンタクト使用者などが挙げられます。

Q8. 予防できますか?

セルフケアや生活習慣の工夫で、症状の予防や悪化の防止が期待できます。

まとめ

ドライアイは、多くの方にみられる身近な目のトラブルです。放置せず早めに対応すること、自己判断だけに頼らず眼科で正しい診断と治療を受けることが基本です。日常のセルフケアや環境の調整も、症状の緩和につながります。気になる症状があれば、どうぞお気軽に眼科を受診してください。

筆者プロフィール

視能訓練士(ORT)として眼科に勤務した経験を持ち、現在はEnFilmで眼科医療の情報発信や患者説明動画の制作に携わっています。患者さんに「わかりやすく伝える」ことを大切にしています。

参照元(一次情報)

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En Filmは、眼科クリニック向けに、待合室モニター・Instagram・ホームページで使える患者説明ショート動画を制作しています。白内障・緑内障・ドライアイ・ICL・オルソケラトロジーなど、患者さんに伝わりにくい内容を、元・視能訓練士/元・看護師の視点で、AI映像で直感的にお伝えします。

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