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2026.06.14

網膜剥離は痛くない?飛蚊症・光視症・視野のカーテンに注意

網膜剥離は痛くない?飛蚊症・光視症・視野のカーテンに注意

目次

著者プロフィール

宮下 優貴(みやした ゆうき)|元視能訓練士(ORT)・元看護師。眼科の現場で検査・患者説明・手術補助に携わった経験をもとに、現在はEn Filmで眼科医療の動画コンテンツ制作を担当。

網膜剥離は、痛みがないまま「見え方の異変」として現れることがあります。飛蚊症が急に増える、光がピカッと走る、視野に黒い影やカーテンのようなものが見える場合は、自己判断せず早めに眼科へ相談してください。

この記事の結論

  • 網膜剥離は、網膜が本来の位置からはがれる目の病気です。
  • 網膜自体には痛みを感じる神経がないため、痛みがないことがあります。
  • 急な飛蚊症、光視症、視野の影、急な視力低下は注意したいサインです。
  • 治療法や術後の注意点は、剥離の範囲・裂孔の位置・黄斑の状態などで変わります。
  • この記事では、日本眼科学会、NEI、ASRS、MSD Manual、NHSなどの情報を確認しながら解説します。

早めに眼科へ相談したいサインチェックリスト

  • 黒い点や虫のようなものが急に増えた
  • 光がピカッと走るように見える
  • 視野の一部に黒い影やカーテンのようなものが見える
  • 急に見えにくくなった

これらの症状が急に出た場合は、自己判断せず眼科へ相談してください。

網膜剥離とは?まず知っておきたい目の病気

眼科医が眼球模型を使って網膜の位置を説明している写真
眼科医が眼球模型を使って網膜の位置を説明している写真

網膜の役割

網膜は、眼の奥にある薄い神経の膜です。カメラでいうフィルムやセンサーのように、目に入った光を感じ取り、その情報を視神経を通して脳へ送ります。

網膜の中心には黄斑と呼ばれる部分があり、文字を読む、顔を見分ける、細かいものを見るといった中心視力に深く関わります。

網膜が剥がれるとはどういう状態か

網膜剥離とは、網膜が本来接している網膜色素上皮から浮き上がり、正常な位置からはがれてしまう状態を指します。網膜が浮いた部分では光を感じる働きが低下し、視野の欠けや視力低下につながることがあります。

放置すると視力に関わる理由

網膜剥離は、剥離が広がる範囲や黄斑に及ぶかどうかによって見え方への影響が変わります。特に黄斑部に剥離が及ぶと、中心の見え方に影響することがあります。

「痛くないから様子を見よう」ではなく、見え方に急な変化があるときは早めに眼科で確認することが大切です。

網膜剥離は痛くないことがある

目の異変に不安を感じる日本人男性の視野が暗くなっているイメージ写真
目の異変に不安を感じる日本人男性の視野が暗くなっているイメージ写真

痛みがないから安心とは限らない

網膜剥離で注意したいのは、痛みがないまま進むことがある点です。目の病気というと「痛い」「充血する」といった症状を想像しがちですが、網膜剥離では痛みよりも見え方の異変が受診のきっかけになります。

網膜には痛みを感じる神経がない

日本眼科学会も、網膜には痛みを感じる神経がないため、網膜剥離では痛みを伴わないと説明しています。つまり、痛みがないことは「大丈夫」という根拠にはなりません。

受診行動を左右するのは「見え方の異変」

急に飛蚊症が増えた、光が走る、視野の端から黒い影が広がる、片目だけ見えにくい。こうした変化に気づけるかどうかが、早めの受診につながります。

早めに眼科へ相談したいサイン

日本の街並みが飛蚊症と視野のカーテンで見えにくくなっている視点イメージ
日本の街並みが飛蚊症と視野のカーテンで見えにくくなっている視点イメージ

飛蚊症が急に増えた

飛蚊症は、黒い点、糸くず、虫のようなものが視界に浮いて見える症状です。加齢などで起こることもありますが、急に数が増えた場合や、今までと違う見え方になった場合は注意が必要です。

光がピカッと見える

光視症は、視界の端に光が走る、稲妻のようにピカッと見える症状です。硝子体が網膜を引っ張る刺激で起こることがあり、網膜裂孔や網膜剥離と関係する場合があります。

視野に黒い影・カーテンのようなものが見える

視野の一部に黒い影がかかる、カーテンが下りてくるように見える場合は、網膜剥離が進んでいる可能性があります。NEIやASRSも、視野の影やカーテン状の見え方を注意サインとして挙げています。

急に見えにくくなった

急な視力低下や、片目だけ見え方が変わる症状も重要です。片目ずつ隠して確認すると、左右差に気づきやすくなります。ただし、セルフチェックだけで判断せず、異常を感じたら眼科で検査を受けてください。

網膜剥離の仕組みは、細かく覚えなくても大丈夫です

硝子体が網膜を引っ張り小さな裂孔ができる眼球模型のリアルな写真
硝子体が網膜を引っ張り小さな裂孔ができる眼球模型のリアルな写真

網膜剥離の背景には、硝子体の変化、網膜裂孔、目の外傷、強度近視、糖尿病網膜症など、いくつかの要因が関係することがあります。

ただ、この記事を読んでいる方にとって最も大切なのは、仕組みを詳しく覚えることではなく、急な飛蚊症・光視症・視野の影・急な見えにくさを自己判断で放置しないことです。

気になる症状がある場合は、「自分で見分ける」よりも、眼科で網膜の状態を確認してもらうことを優先してください。

網膜剥離の種類

3つの眼球断面模型で網膜剥離の種類を示した医療教育写真
3つの眼球断面模型で網膜剥離の種類を示した医療教育写真

網膜剥離は、原因によって大きく分けられます。

  • 裂孔原性網膜剥離:網膜に裂孔ができ、そこから液体が入り込んで網膜が剥がれるタイプです。
  • 牽引性網膜剥離:増殖膜などが網膜を引っ張ることで起こるタイプです。糖尿病網膜症などと関連することがあります。
  • 滲出性網膜剥離:炎症、腫瘍、血管障害などにより、網膜の下に液体がたまって起こるタイプです。

患者さん向けの記事では、すべてを細かく覚える必要はありません。大切なのは、症状だけで種類を自己判断できないこと、眼科で眼底を確認する必要があることです。

網膜剥離になりやすい人・注意したい人

眼科相談室で強度近視や目の既往歴について相談する様子
眼科相談室で強度近視や目の既往歴について相談する様子

強度近視

強度近視の方は、眼球の形や網膜の状態によって網膜裂孔や網膜剥離のリスクが高まることがあります。近視が強い方は、見え方の変化に気づいたら早めの確認が大切です。

目の外傷

目や頭に強い衝撃が加わった後に、飛蚊症や光視症、視野の影が出ることがあります。スポーツや転倒、事故の後に見え方が変わった場合も眼科で相談してください。

白内障手術後

白内障手術後に網膜剥離が起こることがあります。頻度やリスクは目の状態によって異なるため、術後に急な飛蚊症や視野の影が出た場合は早めに主治医へ相談してください。

家族歴

家族に網膜剥離の経験がある場合、目の状態によって注意が必要なことがあります。心配な場合は、眼科で自分のリスクを確認しておくと安心です。

糖尿病網膜症などの目の病気

糖尿病網膜症などで網膜に増殖膜ができると、牽引性網膜剥離につながることがあります。持病がある方は、定期検査を継続することが重要です。

眼科ではどんな検査をするのか

日本の眼科で患者が細隙灯顕微鏡検査を受けている写真
日本の眼科で患者が細隙灯顕微鏡検査を受けている写真

散瞳検査・眼底検査

網膜剥離の確認では、瞳孔を広げる散瞳薬を使い、眼底を詳しく観察することがあります。散瞳後は数時間まぶしさやピントの合いにくさが残ることがあるため、車の運転などは事前に医療機関へ確認してください。

OCT

OCTは、網膜の断面を撮影する検査です。黄斑の状態や網膜の断面構造を確認するために使われることがあります。

超音波検査

出血や白内障などで眼底が見えにくい場合、超音波検査で眼の奥の状態を確認することがあります。

元視能訓練士が伝えたい、検査前の不安について

眼科検査は、器械に顔を乗せたり、光を見たりする場面が多く、不安を感じる方もいます。検査中にまぶしい、姿勢がつらい、何を見ればよいかわからないと感じたら、遠慮せずスタッフに伝えてください。

網膜剥離の治療方法

眼科手術室の清潔な環境で網膜治療を説明する眼球模型と医療機器の写真
眼科手術室の清潔な環境で網膜治療を説明する眼球模型と医療機器の写真

レーザー光凝固

網膜裂孔の段階や剥離が限られている場合、レーザーで裂孔の周囲を固め、剥離の拡大を防ぐ治療が行われることがあります。ただし、すべての網膜剥離がレーザーだけで対応できるわけではありません。

硝子体手術

硝子体手術では、硝子体を処理し、網膜を元の位置に戻すためにガスやシリコーンオイルなどを使うことがあります。手術内容は目の状態によって異なります。

強膜バックリング

強膜バックリングは、眼球の外側から網膜を支える手術です。裂孔の位置や剥離の範囲、年齢や目の状態などを踏まえて選択されます。

治療法は剥離の範囲・裂孔の位置・黄斑の状態で変わる

どの治療が適しているかは、剥離の範囲、裂孔の位置、黄斑に及んでいるか、他の目の病気があるかなどで変わります。治療方針は必ず医師の診察で確認してください。

治療後に知っておきたいこと

網膜剥離治療後の患者が自宅で安静にしながら説明書を確認している写真
網膜剥離治療後の患者が自宅で安静にしながら説明書を確認している写真

定期検診と再発確認

治療後も、網膜の状態や再発の有無を確認するために定期検診が必要です。見え方が安定していても、医師から指示された受診間隔を守ることが大切です。

ガスを使った場合の体位指示

手術で眼内にガスを使った場合、網膜を押さえるために一定の体位を保つよう指示されることがあります。体位や期間は手術内容によって異なるため、自己判断で変えないでください。

飛行機や高地移動に制限が出ることがある

眼内にガスが残っている場合、飛行機や高地への移動が制限されることがあります。NHSなども、ガスバブルがある間の飛行機利用に注意が必要と説明しています。旅行や出張の予定がある場合は、必ず主治医に確認してください。

視力回復には個人差がある

手術後の見え方は、剥離の範囲、黄斑の状態、治療までの時間、もともとの目の状態などによって変わります。「手術すれば必ず元通り」とは言い切れないため、経過については主治医と確認しながら見ていく必要があります。

眼科勤務経験から感じる「受診を迷いやすい症状」

眼科スタッフが不安そうな患者を検査室へ案内している写真
眼科スタッフが不安そうな患者を検査室へ案内している写真

飛蚊症はよくあるからこそ、急な変化に注意

眼科勤務の中で感じていたのは、飛蚊症は身近な症状だからこそ「いつものこと」と受け止められやすいという点です。以前から少し見えていたものがある場合でも、急に数が増えた、黒い影が濃くなった、光が走るようになった場合は注意が必要です。

光視症や視野の影は自己判断しない

光視症や視野のカーテン感は、普段の疲れ目とは違うサインとして相談されることがあります。症状が一時的に軽くなっても、網膜の状態は自分では確認できません。

片目ずつ見え方を確認する習慣

両目で見ていると、片目の見え方の異常に気づきにくいことがあります。ときどき片目ずつ見え方を確認する習慣は、左右差に気づくきっかけになります。ただし、異常を感じたらセルフチェックで終わらせず、眼科へ相談してください。

よくある質問

眼科医が患者からの質問に眼球模型を使って答えている写真
眼科医が患者からの質問に眼球模型を使って答えている写真

Q. 網膜剥離は自然に治りますか?

網膜剥離は自然に元へ戻ることを期待して様子を見る病気ではありません。疑わしい症状がある場合は、早めに眼科で確認してください。

Q. 飛蚊症があると網膜剥離ですか?

飛蚊症があるからといって、必ず網膜剥離とは限りません。ただし、急に増えた、光視症を伴う、視野に影がある場合は注意が必要です。

Q. 痛みがなくても受診した方がいいですか?

急な飛蚊症、光視症、視野の影、急な視力低下がある場合は、痛みがなくても眼科へ相談してください。網膜剥離では痛みがないことがあります。

Q. レーザーだけで治ることはありますか?

網膜裂孔や限られた状態ではレーザーが選択されることがあります。ただし、剥離の範囲や状態によっては手術が必要になる場合があります。

Q. 手術後に視力は戻りますか?

視力回復には個人差があります。黄斑の状態、剥離の範囲、治療までの時間などで見え方の回復は変わります。

Q. 強度近視の人は何に注意すべきですか?

急な飛蚊症、光視症、視野の影に注意してください。強度近視の方は、定期的に眼科で網膜の状態を確認しておくと安心です。

Q. 片目だけでも起こりますか?

網膜剥離は片目に起こることがあります。両目で見ていると片目の異常に気づきにくいため、片目ずつ確認することも大切です。

Q. スマホや目の使いすぎで網膜剥離になりますか?

スマホや目の使いすぎだけで網膜剥離になるとは一般に説明されていません。網膜剥離は網膜裂孔、硝子体の変化、外傷、強度近視、糖尿病網膜症などが関係することがあります。

網膜剥離を“イメージしやすい説明”にするために

眼科クリニックの待合室で網膜剥離の説明動画を見ている患者たちの写真
眼科クリニックの待合室で網膜剥離の説明動画を見ている患者たちの写真

網膜剥離は、断面図や視野の変化を映像で示すことで、患者さんが状態をイメージしやすいテーマです。

たとえば、次のような内容は動画と相性があります。

  • 網膜が眼の奥のどこにあるのか
  • 飛蚊症や光視症がどのように見えるのか
  • 視野にカーテンがかかるとはどんな見え方か
  • 治療後に体位指示や飛行機制限が出る場合があること

En Filmでは、眼科クリニック向けに、患者説明動画・SNSリール・ホームページ用動画の制作を行っています。

自社Instagramでの網膜剥離リール投稿実績:48,059再生/リーチ36,131/保存202

▶実際の動画サンプル(Instagram)

この数値は自社アカウントでの投稿実績であり、同じ成果を保証するものではありません。ただ、網膜剥離のように「痛みがないのに受診が必要なことがある」テーマは、短い動画で症状イメージを補う価値が高いと感じています。

眼科クリニックで、患者さんに目の病気をよりイメージしやすく伝えたい場合は、En Filmの眼科向け動画制作をご相談ください。

詳細・ご相談はこちら(相談無料):https://enfilm.jp/clinic

参考情報